モメンタム戦略を実践するスプレッドシート

Finance
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本記事ではモメンタム戦略を実行するにあたってポートフォリオの組み換えの指針になるようなスプレッドシートを紹介します。

スプレッドシートの使い方

Momentum checker
モメンタムチェッカー ↓ シンボルを入力, BILとの比較( 12ヶ月リターン), ACWIとの比較( 12ヶ月リターン),↓ モメンタム戦略でリターンを比較するETFかシンボルを入力 AAPL, Hold, Hold, BIL, BILより12ヶ月のリターンが良ければHold, 悪ければSellと表示されます ...

 

Momentum checkerという名前のスプレッドシートです。Googleスプレッドシートで書かれているのでブラウザ上で動作します。閲覧のみの設定にしてあるので、「ファイル」>「コピーを作成」で自身のGoogleスプレッドシートとして保存してください

モメンタムチェッカー

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直近1年のリターンを単純に比較するためのシートです。
「シンボルを入力」と書かれた列にETFや株価のシンボルを入力して、「↓モメンタム戦略でリターンを比較するETFかシンボルを入力」と書かれた列に比較対象を入力すると、直近12ヶ月でのリターンを単純に比較します。
A11にVOOと入力して、比較対象をBIL、ACWIと入力すれば、比較がB列、C列に表示されます。画像上ではHold, Holdとなっていますが、
VOOはBIL、ACWIよりも12ヶ月のリターンが良かったので、「BILと比べるなら、VOOをホールド」「ACWIと比べるなら、VOOをホールド」を意味しています。

ところで、GEM(Global Equities Momentum strategy)と呼ばれる戦略では
・米国株(S&P500, VOO)と米国以外の全世界株(ACWI)と短期債を比較。
・VOOかACWIが一番リターンが良ければよかったものをホールド。
・短期債のリターンが良ければAGG(債券ETF)をホールド。
・この比較を繰り返す
という戦略になりますが、現時点ではまだVTIが他のものよりも強いようですね。

株価チャート

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直近のリターンを見る上で「ゆっくりあがってるのか」、「下がってからあがってるのか」、などとチャートの形が気になることも多いので、シンボルを入れると簡易的にチャートを表示してくれるページを作りました。B2に見たいシンボルを入力すると、最近の高値、底値や最近のリターン、チャートが表示されます。

S&P500の直近のリターン

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記事執筆時点(2018年5月12日)でS&P500に登録された銘柄をリストアップして、それぞれの指標を表示しています。
セクター、現在の株価、直近のリターン(%)などが表示されます。リターンが良いものは緑色に、悪いものは赤色に表示されます。画像の右の行には最初のページで指定したBILと比較してどちらがモメンタムが強いかが表示されています。A2のMMM(3M company)はBILと比べると強いのでHold、という具合です。右側では52週の高値、底値、β、PER、EPS、総額も見れます。

各ETFの直近のリターン

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グローバルに投資することで相関が低いものを選ぶことが重要なので今回大事なのが、債券や各国の株価やコモディティのリターンです。債券、米国を中心とした代表的な株式ETF、セクター別ETF、国別ETFREITコモディティをセレクトして一覧で見られるようにしてあります。

直近の成績を見て投資する判断をする際に一覧性が有ると判断が楽になります。このスプレッドシートを使うことでざっと現在の株価の状況が見渡せてスクリーニングに使えると思います。使えそうでしたらアレンジして使ってみてください。

最後に

一週間かけて散発的にモメンタム戦略について考察していきました。
実際にやろうと思った時に毎回証券会社のWebサイトを参照するのも面倒なので、今回紹介したスプレッドシートを応用すると売買が楽になるかもしれません。

戦略についてしつこくバックテストやらいろんなツールを使って検討したのは、長い期間をかけてじっくり投資するかどうかを良く検討するためです。
バックテストは参考にならないという意見もありますが、様々な投資環境に晒された場合に戦略がどのような結果を生むか考察する材料の一つにはなり得ると考えています。

結果としてモメンタム戦略(GEMも含めて)の長所としては、その時に上昇しやすいものを持つことで平均以上のリターンが得られる可能性が高いということと、一定の基準で撤退することで長く大きな恐慌での損失を抑えられることでしょう。結果として条件が揃えばリターンが向上する戦略と言えます。実感として、モメンタム戦略が効果を上げる条件としては、
・投資する対象の年単位での相関が低い事
・価格のトレンドが比較的ゆっくりで月〜年単位で続くこと

だと思います。
一方で、欠点としては、景気の回復局面で投資をするのが遅れるため回復が遅い売買が頻繁になりやすく手数料がかさむことでしょう。上がってから買うので、「安く買い高く売る」にやや乗り遅れえます。また、ころころとトレンドが変わるときはポートフォリオの組み換えが多くなりリターンが下がることが分かりました。

いい組み合わせではモメンタム戦略・デュアルモメンタム戦略は有用といえますが、考え抜かれたポートフォリオを持つことでリターンを確保しつつリスクを下げる、という事ができますし、有名なポートフォリオ自体にモメンタム戦略を適用することはリターン向上にはあまり繋がりませんでした。私個人の感覚として、何十年も頻繁に売買を繰り返すのは単純に面倒なので、これだけ検討しましたが導入は見送ろうかと思っています。

コメント

  1. チベスナ より:

    このスプレッドシートで取得しているリターンは、配当込みのトータルリターンではなく、キャピタルリターンのみという理解で正しいですか?

    • drkernel drkernel より:

      そうですね。キャピタルゲインのみの評価になっています。GOOGLEFINANCE関数で”return52”を指定すれば1年の総収益を求めることができるようなので配当込みにしたければそちらをお試しください。

      • チベスナ より:

        ありがとうございます。”returen52″試してみましたが、どうやらmutual fundのみ対応の関数のようで、ETFでは動作しませんでした。

        ETFを一定の配分に保ったポートフォリオどうしのモメンタム比較がしたかったのですが、どうやら簡単ではないようです。リバランスも考慮するととさらに難しいと感じます。

        • drkernel drkernel より:

          なるほど、ポートフォリオ同士のモメンタムの比較、ともなるとプログラム組んで比較するしかないように思います。本日公開の記事でシミュレーション方法も記載するのでRがもし使えそうであれば試してみてください。