株式トレード(基本と原則)
先日Kindle安売りセールのときに、マーク・ミネルヴィニの株式トレード(基本と原則)を買って読みました。いつもながら、自分はあまりトレードはやらないのですが、成長株投資やらテクニカル指標について実践的に書いてあったので興味深いものでした。
ミネルヴィニ自身は年率100%を超えるトレード成績を何年も連続してあげたという有名なトレーダーです。
本書では特に、
1. どこでエントリーするか?
2. トレードのルールぎめ
は参考になると思います。
本記事ではあまり多くは内容面には触れないことにしますが、本書で述べられていたようなことを守ったら本当に低いリスクで高いリターンを得られるのかどうかには非常に興味があるところです。
そこで、本書で述べられていた内容の一部を検証してみます。その内容とは、デビット・ライアンという、これまた成長株投資で有名なウィオリアム・オニールと一緒にファンドマネージャーをしていた人が見つけた、「非常に大きく上げ続ける銘柄」の特徴に注目してみます。
非常に大きく上げ続ける銘柄の特徴
この特徴とは、本文ではこのように述べられています。
最近、彼と会話をしているときに、このセットアップの簡単な覚え方は「MVP指標」だと教えてくれた。これは、Momentum(モメンタム)、Volume(出来高)、Price(株価)の頭文字だ。
マーク・ミネルヴィニ. 株式トレード 基本と原則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.672-674). Kindle 版.
具体的にはそれぞれの指標は以下のような特徴をつけると言います。
●M モメンタム 15日のうち12日で上げる。
●V 出来高 その15日間に出来高が25%以上増える。
●P 株価 その15日間に20%以上の上昇(この15日に大きく上昇するほど、また、出来高が増えるほど、良い)。
マーク・ミネルヴィニ. 株式トレード 基本と原則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.675-678). Kindle 版.
もちろん、このような特徴があるからといって全てOK、というわけではなく、いくつかの注意点を踏まえた上でエントリーせよ、と本文では述べられています。
この指標、かなり具体的な数値とともに挙げられているものなので視覚的にチャートとにらめっこしているよりはプログラミングでスクリーニングをするのが良い性質を持っています。
もし、このようなモメンタムに再現性があるのであれば、モメンタムを確認してエントリーする人が増えて更にモメンタムが強固になるかもしれません。
なので、プログラミングしてこれを実際に検証してみることにしました。
検証
今回もPythonを利用しています。定量的な解析手法としてあまり良い方法が思いつかなかったので、チャートを描画して、MVP指標が条件を満たす日をアノテートして実際にその後に上昇しているのかを見てみることにしました。
データはyf_downloadにより、yahoo financeからダウンロードしています。(なので日本株は含まれません)。そこでMVP指標それぞれについて条件を確認して3つ全てが揃う瞬間にチャートにマーキングをしてみました。
モメンタム、株価については、定義通りに計算しています。出来高については、15日前との比較だけだと瞬間的な出来高上昇に影響されてしまうため、5日間の平均の出来高が25%以上上昇することを条件にしました。
このような条件で描画するといくつかの銘柄では株価の急上昇時に同じシグナルが見られて、その勢いが暫く続く現象が見られました。MVPの指標はかなり厳しいものなのでなかなか見られません。こうしたシグナルを参考にするのはツールとしては使える可能性があるかと思いました。
また、こうしたシグナルをヒストリカルに確認したい人がいるかと思い、webページからチャートを描画できるようにしてみました。Google Cloud Platformの機能を使って実現しています。Wordpressでの実装に関してはtwitterにいたエンジニアの方が圧倒的な速さでjavascriptを書いて実装してくださいました。
MVP指標をチャートで確認する
こちらのプログラムは固定ページでも確認できるようにしてあります。
シンボルには、株式のティッカー(AAPL, GOOGなど)を入れてください。
開始日にはチャートの開始日を。一部のブラウザでは入力がサポートされますが、Safariなどでは、2001-01-01のように入れてください。
終了日はチャートの終了日です。こちらも同様の形式で入力してください。
入力したらGetボタンを押してください。処理に時間がかかるため10秒ほど待つとチャートが表示されると思います。表示されないときはエラーの可能性があるので、内容を確認の上、再度お試しください。
チャートのロウソク足は1週間単位で表示する設定になっています。
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