ジョブ理論(クレイトン・クリステンセン)

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破壊的イノベーションの穴

クリステンセンといえば「イノベーションのジレンマ」に代表される破壊的イノベーション理論が有名。破壊的イノベーション理論は、既存の市場を一気に変えてしまうようなイノベーションを私たちに教えてくれた。インターネットやスマートフォンはいずれも破壊的イノベーションの代表例だろう。ただ、どんなプロダクトやサービスをどのように考えて生み出せば良いのかという問いには答えてくれない。たとえば、朝の忙しい時間帯に買われるただのバニラシェイクはなぜ選ばれるのか?破壊的でないプロダクトにも選ばれる理由がある。時間がない朝に車の中で手軽に栄養を取りたい、そんなニーズを人々は抱えるがためにシェイクを買っているのかもしれない。

 

ジョブ理論は顧客が必要とする事に注目した理論

ジョブ理論は破壊的イノベーションの弱点を補うものでもある。ジョブ理論によれば顧客はまだ満たされない重要なジョブを解決するために特定のプロダクトやサービスを雇う(購入する)。ただ素晴らしいだけではプロダクトを購入するためにお金は顧客は払わない。こういった話を見ると、音楽プレイヤーの話を思い出す。SONYの携帯音楽プレイヤーは高音質だったがAppleiPodに敗れ去った(そういえば最近iPodって見なくなりましたね。みんなスマホだ・・・)。iPodは手のひらに収まるサイズに1000曲も詰め込むことができた。「どこでも好きな音楽が聞きたい」顧客のジョブ(ニーズ?)を片付けてくれるからAppleはそこから急成長したのだろう。ジョブ理論は顧客が本当に求めるものを提供することに価値を置いている。

プロダクトの評価にはジョブ理論の観点を入れよう

ジョブ理論の枠組みを使えばその製品が顧客にとってどれほど欲しくなるものなのかが考えられるだろう。ビジネスプランを考える場面では競合を考えるときに最近ではジョブ理論の観点を入れることが勧められる。先ほどの例であれば携帯音楽プレイヤーの競合は、「出かける時の暇つぶし」という意味ではKindleのような電子書籍リーダーも競合になりうるかもしれない。iPodさえもハードではなくソフトで実現ができるものとしてスマートフォンにその立ち位置を奪われてしまった。ビジネスを多面的に評価する一つのフレームワークになるのではないだろうか。

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