未来型国家エストニアの挑戦

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エストニアの電子政府

エストニア、といえばバルト三国の一つでロシアからの影響が強い国、、、と地理の授業で昔習った事があるな、という印象しかなかったが、最近はエストニアの名前は様々な場所で聞くことが増えた。エストニアは冷戦終結による独立後、政府主導でIT化に早期から取り組み、先進的なITシステムが社会基盤に組み込まれた国として注目されている。金融の取引や支払い、身分証明、医療などに国民の背番号が利用され、一枚のIDで色々な事ができる。政府のサービスや役所の手続きも電子化されているので会社の設立もオンラインですぐにできる。エストニアでは長期滞在の外国人にもeIDカードの取得が可能で投票権も与えられる。最近ではエストニアに居住していない人のためのeIDカードの発行も始めた。外国人でもエストニア電子政府サービスや銀行取引ができる。これはeレジデンシーという考え方で、国民という概念を変えるものだ。日本に住んでるから日本人、とか、民族とかの枠組みに取られることなく、エストニアの国民を増やすことができる。エストニアは狭い国土に住む人を増やすことなく国民を増やすことができるのだ。ただ、税金など、未解決の問題もまだまだある。

日本のマイナンバー制度

日本のマイナンバー制度も鳴り物入りで始まったものの、ほとんどが税金の管理に使われているくらいで、手続きが増えた一方メリットを感じることが少ない。個人認証は相変わらず印鑑のような時代遅れの仕組みを使っているしサービスごとに異なるカードが必要だから財布の中はいつもカードでいっぱいだ。国民背番号は未だに医療のIDと紐づけられていないから患者情報は個々の病院で管理されている。紙の情報が電子媒体に変わっただけだ。残念ながら日本のマイナンバーはまだまだエストニアの制度には及ばない。今後に期待したいところだ。

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