- 作者: 豊下楢彦,古関彰一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2014/07/19
- メディア: 新書
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集団的自衛権の行使に対する批評は賛否様々ですが、批判側の論者として論理的な意見を述べた数少ない書籍ということで手に取りました。
意見が強い本であるので、ある程度の前提知識が無いと読むうちに無批判に筆者の意見に取り込まれそうになるので、じっくり読んだほうが良いと思います。
全体を通して、安倍政権(過去の政権もいくつか含みます)の説明や政策に関しての過ちを数多く指摘している。海外のメディアからはhawkish, right-sidedなどと呼ばれる首相であり、確かに海外も日本が戦争へ向かうことを警戒しているような雰囲気はあります。WWII後のレジームの変革を狙っているという見方に関しては確かに、と思うことが多かった。しかし、政策に関しての批判は、確かに意見としては間違っていないものの、重箱の隅をつつくようなものも多く、自分の持つ「反対」というポジションを主張するためにねじ込んだ論理も多く見られる。何より批判に対して、ではどういう論理を組み立てて政策を提案するのか、といった内容には乏しく、少し物足りない印象は拭えない一冊だった。
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