2020年上半期振り返り

Finance

2020年下半期に突入してもう1ヶ月立ちますが、簡単に2020年上半期を振り返ってみます。

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上半期のアセットアロケーションの変化

ポートフォリオの目標は、バランスポートフォリオ(All Weather: 株30%、長期債40%、中短期債15%、金7.5%、コモディティ7.5%)の2倍程度のボラティリティを目安にしつつ、S&P500と同程度かそれ以上のリターンを狙う、というものです。基本的にはアロケーションを調整しながらオプションを使ってレバレッジを軽くかける、という戦略です。

上半期の主なイベントを主なベンチマーク(配当含まず)とポートフォリオリターンと合わせて1枚にまとめてみました。

戦略的なイベント、あるいは教訓になったことに番号を振ってみました。

1:債券バランスファンドを中心に積立

2019年の株式の値上がりもあり、保守的な債券90%のファンドだけ買い付けしてました。偶然ですが、3月以降のことを考えると良い判断でした。

2: TLT売却

コロナショックが始まり、長期債の金利が一気に低下して、長期債ETFが値上がりしました。これ以上まで上がらないだろうと思い、保有していた分を全部売却。また、昨年からロングしていたVXXも売却。長期的にはリターンが望めない長期債券をポートフォリオに組み込む必要もないだろう、ということと、コロナの流行は数年単位で続くだろうと考えました。半年ほどかけてポートフォリオの株式比率を高める、また、経済対策による緩和政策からゴールドの値上がりが予測されることから、これらを中心にして、底を探る限りは買い増していくという戦略に転換。図の黄色い矢印の期間はだいたい株式50-55%、債券5-10%、ゴールド35-40%のポートフォリオを目指すことに。

ここの判断は悪くもないかな、という評価です。TLTの売却はピークで売れたので良い判断でした。一方、VXXは低迷が続いていたせいか十分に値上がりする前に売却してしまい、機会損失でした。売却の戦略を明確に立てていなかったことが反省点です。戦略の転換については、概ね評価はできますが、一番底の最中の緩和やCOVID-19の治療開発やワクチン開発などの影響のせいか、思ったよりもずいぶん早く資産価値が回復していったのは想定違いでした。

3月の間はすべての資産のボラティリティが非常に高く、株も債券も金も下落したためこの期間はVIXをロングしていたのが正解でした。ニコラスタレブのファンドが非常に良いリターンを上げたことでも話題になった期間でした。

3: NI225 CFD売却

これは笑い話のようなエピソードですが、もともとロングしていた日経平均のCFDの含み損が増えてきて3月下旬に売却して、オプションのロングに切り替えるまでの1週間程度で日経がぐんぐん上がってしまい思わぬ損失を喰らいました。余計なことはするな、という教訓でした。

4: 買い増し買い増し

2.で訪れた戦略の転換もあり、債券などの現物を切り崩しながら株式や金の現物・オプションを買い増していきました。全資産が下落したので、分散していたとはいえ、かなりのドローダウンを食らってしまいました。だいたい株式と同じ程度です。一方でオールウェザーポートフォリオのドローダウンはごく僅かでした。

その後、QQQの買い増しもあり、ポートフォリオのリターンとしては徐々にS&P500を上回りました。これは主に以下の2点によるものと考えています。
・買い付けていったQQQの値上がり幅が大きかった。
・ポートフォリオに1.5倍相当のレバレッジがかかっていた。

個別株の株式についてはGOOG、BA、BABA、NKE、SBUX、MUFG、ANAHDをロングしました。最近忙しくてあまり精査もできず正直、雰囲気投資です。

5: ゴールド一部売却

ゴールドは3月に値下がりする前に沢山コールオプションを買っていましたが、SQが来たため6月に一部利確しました。利確後はゴールドのエクスポージャは少し下げています。長期的には大きなリターンが見込めなさそうなゴールドをあまり長期間多くオーバーウェイトしたくなかったためです。ゴールドと株式は相関がほぼ0のためか、このところポートフォリオ全体のボラティリティが高く、オールウェザーの3-4倍程度になっていたため、リスク調整の必要がでたためです。(とはいえ、株式とは同程度のボラティリティでした。)

利確した後から金はみるみる値上がりしてしまったので少し機会損失した気分にはなってしまいましたが、タイミングは読めないのでまあ仕方ありません。

これは7月以降の取引ですが、ボラティリティ対策としては、VXXとTLTを再びポジションに入れることにしました。VXXについては、前回の記事を参考にしてください。VXXはほぼ確実にマイナスのリターンのため、あまり多くは持てないのが何店です。TLTについては5年後のリターンはきっとマイナスだと思っていますが、新型コロナウイルスの流行に関連した経済の低迷はもう少し続くと考えているため、ポートフォリオの安定化を一時的に得るには仕方あるまい、ということで再度ロングしています。

下半期へ

上半期はコロナショックとも言われる大きな下落が起きたためハラハラする展開でした。上半期のうちに株式はグロース株を中心に値を戻し、債券・金は大きく値上がりしています。

今後も4月以降の堅調な相場が続くとは考えておらず、常に値下がりに警戒しながらの資産運用になりそうです。引き続き忙しく時間がとれないので、個別株はほどほどに、アロケーションの調整中心のつもりです。

ところで、3月の値下がりの際は自分のシミュレーションでは、オールウェザーポートフォリオが14%程度のドローダウンを喫しました。株式に比べれば大したことありませんが、自分のシミュレーションの範囲ではこれまでに見られなかったドローダウンである可能性があります。債券・ゴールドが再び値上がっていることを考えると、再度フラッシュ・クラッシュのようなものが訪れた際に、分散ポートフォリオも安心とはいえません。ブラックスワンでも有名な投資家のニコラスタレブは3月の値下がりではVIXをロングして大きな利益を得たといいます。こうした様々なヘッジを考えつつ安定した運用をしていくつもりです。

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