インターネットの次に来るもの(ケヴィン・ケリー)

 

〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則

〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則

 

1. BECOMING
2. COGNIFYING
3. FLOWING
4. SCREENING
5. ACCESSING
6. SHARING
7. FILTERING
8. REMIXING
9. INTERACTING
10. TRACKING
11. QUESTIONING
12. BEGINNING

人類がインターネットを発明した時、当初はニッチなシステムであり、あまり見向きもされていなかった。ごく一部の人だけがその真の価値を見出してインターネットを成長させ始めた。今ではインターネットは世界の何十億人にも行き渡り生活の隅々にまで行き渡っている。中国の水道が通っていないような地域でも人々はスマホを片手に生活を送っている。テクノロジーは世界を変えたし、今後もおそらくそうなるだろう。本書はインターネットの普及時代の次に世の中にもたらされるテクノロジー革命を展望する。
読んでいる最中に故Steve Jobs氏が1995年ごろにインターネットの未来を興奮気味に語る動画がTwitterでシェアされているのを見た。彼はインターネットが世界を変えることを知っていた。インターネットが個人に浸透し、コミュニケーションのあり方や購買行動を変えることを。そして実際にSteve Jobsは思い描いた未来を実現するかのように世界にスマートフォンを爆発的に普及させて旅立った。今、勃興しつつあるAIやVR、ブロックチェーンのような技術は世界を変える大きな期待を背負っている。本書は既存の技術がどのようなレベルにまできているのかをよく解説する。そして未来の技術についても。未来の描き方は技術ベースの基礎的な話が多くやや抽象的だ。しかし、今ある技術が発達することで今後訪れるであろう未来への夢は広がる。本書で最もフォーカスが当たっているのはビッグデータだろう。ビッグデータは多くの人が取り組む課題ではあるがまだまだどのように世の中を変えていくのか姿を見せていない(ように見える)本書のような刺激から実際に世の中をかえるサービスが生まれていくことに期待したい。実際の未来は本書の内容からも想像もつかないものが訪れるのかもしれない。

映画「スティーブ・ジョブズ 1995~失われたインタビュー~ 」特別映像 – YouTube

 

COGNIFYING
現存するAIやロボットはおそらくこれからどんどんと賢くなっていくだろう。AIは人間の仕事をかわりにやってくれるようになり、人間はそのAIが代わった仕事に応じて新たな仕事を始めるようになる。現在の単純作業しかできないロボットも将来的にはもっとスマートなものに変化していくだろう。

FLOWING
デジタルの世界で最も変化したのはコピーが容易になったことだ。工業時代ではコピー品(大量生産品)を手に入れることがステータスだった。しかし、デジタル世界のコピーは最も簡単にできてしまう。つまりコピー自体には価値がほとんどない。今のインターネットのサイトが生み出している価値の多くはそこに対して付随するコメントやリンクなどの有用な情報であり、今後主流になるのはコピーされたもののパーソナライズになる。ユーザーに合わせて文章やメディアが形を変えるようになる。紙の時代の特色であった固定化は、デジタルの世界になればもっと流動的なものになっていく。

SCREENING
スクリーンは今は年に1つずつ全世界の人々に行き渡るようなペースで生産されている。スクリーンは家に溢れているが、それらはさまざまな機能をもちより生活に密着したものになる。おそらく将来は朝起きてから夜寝るまで、もしかすると夜に寝ている間すらもスクリーンの助けをかりながら生活する時代が来るかもしれない。

ACCESSING
人類が生み出すプロダクトはこれまで素材の改良などにより改善された。小型、持ち運びができる目的で改良は行われていた。しかし現代の改良は非物質化が進んでいる。デザイン、プロセスなど手に触れられないものが発展している。クラウドブロックチェーンは特に目覚ましい。

SHARING
カスタマーが参加してコンテンツを生み出すサービスは近年になり始めて登場した。資金調達さえクラウドファンディングという新しい携帯が出てきている。新しいサービスは昔には思いつきもしなかったものだ。30年後に台頭しているサービスも今の私たちには思いもよらないものであると思われる。

FILTERING
我々は大量のデータの海の中にいる。この海を全て見渡す事は不可能だ。必然的にフィルターが必要になる。SNSでは友人のシェアがフィルターの役割を果たしている。こうしてアテンションが集まる事は金銭的な価値にもつながる。モノの価値は下がり続けるが、人間の経験の価値のコストは唯一増加している。

REMIXING
持続的な経済成長は全く新しいものからではなく、既存の資源の再編成により生み出されるものだ。

INTERACTING
VRやARは非日常的な体験をもたらしてくれる。これらはパソコンに次ぐ破壊的変化をもたらすプラットフォームになりうる。VRやARは職業訓練などにも使用しうる。

TRACKING
何かをモニターし記録するという行為によりデータはどんどんと増殖する。そしてそのデータから生まれたデータも世の中に産み落とされる。あらゆるものをトラッキングしたデータから得られる知見は世の中にインパクトを与えるだろう。しかし、その中でも匿名性の問題がある。

QUESTIONING
グーグル検索は劇的に調べ物を容易にした。人々は1回の検索行動により従来よりも何分間時間を節約することができる。一日にどれほど多くの検索が行われているかを考えると、その経済的効果は絶大だ。グーグルは検索自体からではなく、広告から収入をえており、検索自体は無料でできる。一方で質問を生み出していく事は答えることよりも難しい。

BEGINNING
世の中のデータは複雑になり続け、人工知能は発達し続ける。今後シンギュラリティと呼ばれる状態が到来する日も近いだろう。シンギュラリティに悲観的な想定もある。AIが人間を支配するというものだ。しかし実際に起こるのはAIと人間が相互依存へ向かうような弱いシンギュラリティなのだろう。

 

・近い未来に技術が発達し続けると新しい働き方が主流になると思います。

 

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・新しい技術が応用されれば医療の世界もどんどんと変わってくるのかもしれない。

 

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・データサイエンスは新しい世界を切り開いています。

 

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