20年連続負け越しというのはアメリカのスポーツ史上初めての不名誉な記録。それをつくったピッツバーグ・パイレーツがどのようにして21年目を防ぎ、しかもポストシーズンに進むという快挙を成し遂げたのか。
パイレーツが特別というわけではないが、ベースボールの世界でもデータを詳細に分析して弱小チームでも勝つ方法を見つけることを目指している。パイレーツは新しいGM,監督を迎えた時からなんとかしようと、データ分析官を上手く活用して戦略・ドラフトに活かそうとした。
守備シフト、ピッチフレーミングという一般に評価されない能力、ゴロを打たせて勝つ、選手の故障の予防などに様々にビッグデータを用いて取り組んだ。資金源が無いチームであっても、これらを活用することでポストシーズンに進むことができた。しかしこういったいわゆる”誰でも出来る”ことはすぐに他のチームにも取り入れられていき、ベースボールの大きな潮流となったことが伺える。
野球が好きというわけではないが、今まで特に価値を認められなかった盲点に気づき、それをビッグデータを用いて立証して実践して勝つ、というスタイルがとてもスマートで面白かった。もちろんこれらの分析が流行った背景にはセイバーメトリクスがある。そちらも読むと面白そう。
マネー・ボール〔完全版〕 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: マイケル・ルイス,中山宥
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/04/10
- メディア: 文庫
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