・現在の名だたる企業、Google, facebook, apple etc…は人がより多く集まることで価値を生み出している。古くは国家がその役割であったし、クレジット・カード会社も同様の手法で価値を生み出していた。近年のIT企業の発達は新しいプラットフォームの形成を促し、古くあった国家という枠組みを超え、巨大なものになっている。
・Googleはマインドフルネスを実現するために様々なサービスを開発している。アップルは「your verse」をユーザが追求する手助けをして、統一された世界観を提供している。フェイスブックは人々が薄く繋がることで人間関係を新しいものにした。
・しかし、プラットフォームがビジネスとして働く事で、「プラットフォームの重力」作用が働き、悪い影響を生み出す事がある。たとえばfacebookの「いいね」機能はサイトへの滞在時間を増やす一方で、ユーザーの承認欲求を生み「いいね」が貰えないユーザは不満を持つようになる。企業側はこういった悪い影響を取り除きよりユーザーにとって良い物を提供することが自社の成長に繋がる。
・日本にも素晴らしいプラットフォーム事業は存在する。リクルートが送るBtoBtoCのサービスやiモードが備えるコンシェルジュ機能。楽天が掲げるロングテール、ライブ、ロングページは人が介在するショッピングモールとなり、Amazonを凌ぐ品揃えを誇っている。日本のSNSの黎明期、mixiが多くのユーザを獲得したのはコミュニケーションの消費を上手く活用したからだった。日記を書いてコメントが貰えると、さらに日記を書く。日本には日本の文化が育てたコミュニケーションの方法があり、グローバルにも通用するサービスが出ることを願う。
・プラットフォームで人がより自由になること、人が幸せになることを目指したい。そしてインターネットを利用して課題を解決すること、自己実現を行うことでより皆が幸せになる時代が来るだろうと願う。
今の時代の人がごくごく当たり前のように利用しているもの、日常の風景の一部になっているサービスはプラットフォーム型のサービスといえる。というかCustomerを大量に獲得しようとするインターネットサービスはそういった形態を取ることが多いのか。私もmixiの黄金時代の頃はよく利用していた。今ではグローバル企業が運営するプラットフォームに完全に乗っかるようになり、日常としてごく当たり前に使っている。成長するプラットフォームはユーザーに利益を与えるものであるが、自分がどれだけ有益なものを得ているだろうか?もしかするとfacebookをただただ見るだけに利用しているのは本来facebookから得られる価値をかなり残ってしまっているのではないか?有益な情報を得るためであればユーザー発信のものではなく、書籍などもっと専門化されたメディアがある。自分で書き込むこと、発信することがよりfacebookから利益を生むことなのかもしれない。サービス礼賛の内容が多いが、本書で言及しているユーザ向けのメッセージとして、サービスは人が幸せになるためにある、そして課題を解決する能力(つまりサービスからより多くを得る)ことや、サービスに自分のアイディアを投げて育てていくことというのがユーザのリテラシーとして今後重要に成るのではないかと思います。
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