70年代の相場は今後来るリセッションの教訓になるのか?

Finance

ある日、Portfolio Visualizerを使って、ポートフォリオの分析をしていた時に思ったんですが、このツールは非常に便利なんですが、シミュレーションができる期間が1979年からのものが多いんですよね。この期間のシミュレーションをする時、ポートフォリオに金を入れたとしても、実はあまり分散も下がらなければ、リターンも上がりません。

「そんな、レイ・ダリオは金を入れたほうがいいって言ってたのに!」と、思ったのですが、よくよく考えてみれば1980年代以降って債券の大相場だったんですよね。

なので、以前シミュレーションした債券の長期リターンを使って、1970年代のポートフォリオについての分析をしてみようと思いました。

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長期の株式価格、金利

この図は、債券の金利と、株式の価格と、PERと、債券のスプレッド(10年-2年)をプロットしたものになります。(FRED、Shiller PE、Quandlより取得)。PERは高いときは切れてますがあまり参考にならない値だと思うのでご容赦を。

10年− 2年の債券のスプレッドがマイナスになると、確かに株式が下落しています。

70年代には2回もリセッションが来たことや、非常に強いインフレに見舞われたため、10年間たっても株式のリターンは配当分くらいのようです。

1970年代にETFがあったら

1970年代を中心に、1部シミュレーションを含みますが、株式、 長期債ETFに相当する債券と、中期短期債のリターンと、金のリターンをプロットしてみたものです。

この期間はコモディティが非常に良いリターンでした。というか、インフレのせいで価格が上がったように思います。

この期間に、シミュレーションをしてみました。赤色で示したグラフは、株式:長期債:中短期債が30:50:20、青色で示したグラフは、株式:長期債:金が、30:50:20です。

70年代に限った場合、金をポートフォリオに入れると良いリターンが得られたようですが、株式と債券だけだとあまり良いリターンは得られませんでした。

ただ、80年代に入ると金の価格が下落したため、金を入れたポートフォリオは大きく下落しています。

最近の低金利で思うこと

最近、米国債券の金利が下がりすぎているため、長期的にあまり債券の比率を大きくしたくないのですが、そういった時に、他のオルタナティブへの分散は、考慮すべきということなのかもしれません。

ただ、70年代と違う点は、そもそもインフレが70年代のレベルまで上がるのかというのが非常に疑問だと言うことと、それに引きずられて債券の金利も70年代ほどまでは上がっていかないんじゃないのかとは思います。せっかく世界に分散投資できるのであれば、日本やアメリカだけでなく、他の国に目を向けてもいいかもしれないですね。長期的には期待リターンが高いものに投資したほうが報われると思うので。

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