早逝の天才、エヴァリスト・ガロアに始まる群論と対象変換を中心に過去から現代までの数学と物理の発展を語ったもの。
ユークリッド、アルキメデス、フィボナッチ、ガウス、ラグランジュ、アーベル、ガロア、ハミルトン、リー、キリング、アインシュタイン、ファラデー、マクスウェル、プランク、シュレーディンガー、ハイゼンベルグ、ディラック、ウィグナー、カルツァ、ウィッテンといった、この分野の発展に貢献した学者の人生も交えてそれぞれの発見がどのようなものなのか、どうして世界に新しい知識体系ができていったのかを語ってくれる。
代数学から群論の誕生と物理・数学の発展
古代のバビロニアで既に2次方程式は解かれていたということや、そこから時代が下り代数学が発展していった歴史は中学・高校で数学を習った事がある人には具体的なイメージをもって読みやすいだろう。3次方程式がとかれるようになったのはそこからだいぶ時間がたったルネサンス期だ。4次方程式にも解の公式はある(超複雑)が、実は5次方程式の根はルートなどの形式で表せない値になることがあり、解の公式は存在しない。それを証明したのはアーベルという数学者であるが、別の方法としての証明を提示したのがガロアだった。ガロアは群論という数学の新たなジャンルを切り開いた。後半は群論と深く結びついた対称性が数学・物理の分野のあらゆる場面で活躍している紹介になる。電磁気学や相対論、統一理論は群論の影響を多く受けているようだ。実際に数式などを用いると非常に抽象的で高度な理論が多いためか、後半にはリー群やカラビ・ヤウ空間などといった聞きなれない用語が数多く出てくる。一般向けに書かれているため、それらを何とかして理解してもらおうと言葉での説明を度々してくれるが、それでも難しい。ただ、対照群という概念がここに関係しているんだな、など何がどこに貢献しているのかは分かるので凡庸な読者としてはそれでもありがたい。(群論の入門みたいなのは大学の教養の時に多分講義で触れられていたと思うが全く理解ができていなかった。)超ひも理論では時空は私達が認識できる3+1次元以上の次元をもっているということが示唆されるが、5次元の空間というのがいったいどのようなものなのか、なぜ認識できないのかといった説明はわかりやすかった。あくまで本書は一般人が複雑怪奇な数学・物理の世界をなんとなく理解することを助けてくれるものであり、解説書ではない。
筆者が繰り返し主張していることとしては、世界は数学で記述がきっとできるということ、そしてそれは美しい形で現れるだろう、ということで、同じような思いを持ち数学者・物理学者は日々難解な問題に取り組んでいるのだろう。今回は内容の紹介も短めに。もし興味があれば実際に本を手にとって読んでみてください。
・本書の後半でも大きく取り上げられている超ひも理論について比較的わかりやすく説明された本。こちらも数式などはほとんど使わずに説明してくれる。
コメント
すごく難しい内容でびっくりしました!
5次方程式!??勉強させてもらいます(^-^)/
ちなみに私も、2017年末から「ANAマイルでまったりハピタス生活」というハピタスでポイントを貯めてANAマイルを稼ぐことを主題としたブログを始めましたので、よろしければ生活にお役立てください。(^o^)/
http://www.everyday-mile.com/
マイラーいいですね、マイルを貯めて優雅に旅行にでも行ってゆったり本を読みたいものです。