債券インデックスをシミュレーションしてみる

Finance
前回の記事で、債券の価格形成について勉強してみました。文字と数式ばかりで途中で飽きてしまった方はすみません。あの計算はそもそも自分でやる必要がないものです、今回の記事からは結果だけ見ていきましょう。一応再現性の事もあるので使った素材については公開もします。
 
 
何にせよ、前回の記事から、債券の利回りがわかれば残債期間が分かっている債券の価格がどんな風に変わっていくかはわかる目処が立ちました。
 

債券利回りの推移

実際に米国の債券の利回りは、オフィシャルなサイトから取得することができます。
FRBのWebサイトを見るとかなり長期にわたる債券価格を公開しています。とりあえず、10年20年30年の債券の価格を取得しておきます。レバレッジファンドにかかる金利で今後必要になりそうなので3ヶ月債のデータも取得しておきました。この他にもShillerが公開しているデータがYale大学のWebサイトから取得できるのでこちらも取得しておきます。Shillerのデータはなんと1800年代からの利回りが載っています。一般人がどう使うかはわかりませんが。。。
 
 
問題としては、20年債のデータが1986-1993年ごろまで抜け落ちています。30年債も一部抜け落ちています。一時的に抜け落ちたデータは30年債のデータとイールドカーブの推定をして補完しました。また1960年ごろより以前のデータも無いので10年債の債券価格で代用しています。
 
計算式はBogleheadsのスプレッドシートに習ってExcelで計算しています。
 www.bogleheads.org
Bogleheads.org - Information
https://www.bogleheads.org/forum/viewtopic.php?f=10&t=179425
 

債券インデックスの計算

さて、利回りのデータがわかったので、債券のインデックスを計算していきます。
 
最終的にレバレッジETFのシミュレーションをすることが目標なので長期債券インデックスのデータを作ってみます。一つは10年程度の残債期間を持つファンド、もう一つはTLTなどのもっと長期の残債期間を持つファンドです。TLTや、それ以前からあるVUSTXという債券ファンドはどちらも平均の残債期間が17年程度のものになります。
 
インデックスの計算では、利回りの変化から債券の価格がどの程度変化するか?また、利回りから得られるクーポンの2つの要素を足し合わせて翌月のインデックスを求めています。結果として得られたインデックスがこちらです。
 
 
参考にMorningstarが発行している資料で、1926年に開始した債券のリターンを示した資料の図と比較するとわかりやすいです(私のグラフの黄色と、下のグラフのオレンジを比べてみてください。)シミュレーションは最大限やったので1871年から2018年まで、下のグラフは1926年から2015年までです。
 
 
1926年ごろから現在まででどちらも100倍くらいになっているのがわかるでしょうか。シミュレーションでは10年もの債券の利回り(1926-2015年)が5.2%(幾何平均)だったので大きくは外れていなさそうです。
 
これが完成したデータです。各期間(3ヶ月、10年、20年、30年)の利回りと10年、17年ものの債券インデックスのシミュレーションです。
 
 

実際の債券ファンドとの一致性の検討

 
これが実際の債券ファンドの値動きとどれくらい一致しているかも見てみます。Rのquantmodを使用して解析しました。
 
まず、前提としてVUSTXとTLTの相関係数は0.99なので2つはほぼ同じものだと考えても良さそうです。
TLTは2009年以降の10年分しかデータがないので、長期に成績が得られるVUSTX(残債期間が17年程度の長期債ファンド)の分配金込みのリターンと、シミュレーションした17年債のファンドの成績を比べると見事に一致しました。
 
 
この見事に一致したデータを見たときは私も思わず一人で「おおーっ」って家で唸ってしまったものです。1986年から2018年の約30年のデータを見てこれくらい良く一致しているのであれば他の期間も同様のシミュレーションの方法でうまくシミュレーションができそうです。
 
ちなみに同じ期間でのVUSTXの年率リターンが7.5%、年率の標準偏差が9.6%でした。
シミュレーションでは年率リターンが7.2%、年率の標準偏差が8.0%でした。
月ごとのVUSTXとシミュレーションの価格変動をすべて比較するとぴったり一直線にはなっていないことがわかります、相関係数は0.68でした。
 
 
つまり、細かい価格の変動までは完璧にシミュレーションできているわけではないですが、少なくともチャートの形状を見る限りトータルのリターンを求める上ではまずまずの性能を示してくれそうです。
 
ちなみに、2009年以降のTLTとの比較では相関係数0.72でした。TLTでは同じ期間のリターンが5.6%、標準偏差が12.4%、シミュレーションではリターン4.2%、標準偏差8.2%とVUSTXよりはシミュレーションの性能が劣りますが、シミュレーション上の残債期間を変更してみてもそこまで性能良くシミュレーションができなかったので、その程度のものだと思ってください。
 
次回の記事ではS&P500のデータと配当データから超長期のS&P500 ETFのシミュレーションをした上で、レバレッジファンドをシミュレーションしてみます。

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