レバレッジETFの乖離を詳しく見てみる(EDC編)

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レバレッジETFの価格変動

前回の記事でレバレッジETFであるSPXLの価格変動の乖離を見ることでレバレッジETFの価格変動がどのような要素に影響されているかがわかりました。前回の記事ではレバレッジETFは現物資産の変動の3倍で値動きし、金利分が徐々に削り取られますが、配当金もレバレッジがかかって得られる、ということが推定されました。

ΔSPXL= ΔS&P500) * 3 + (配当分) – (金利分)
(Δは価格の1日の変動。ΔSPXLはSPXLの1日分の価格変動(%))

というような式をたてています。金利が上昇すると利益を圧迫しかねないのが危惧されます。
本記事では新興国株のレバレッジETFであるEDCも見ていきます。比較対象はBlackRockから出ているEEMです。

EDCの価格変動

前回と同様にEDCの価格変動を、

∆EDC = ∆EEM × 3 – 乖離

という式を立てて1日ずつの乖離を見たグラフ、乖離を月ごとに平均したグラフ、乖離が与える影響を年率換算したグラフを作ってみました。
今回はEDCとEEMのAdjusted returnを使用しているので、配当込みのリターンを見ています

EDCについても毎日の乖離はそこまで大きくなく、うまくトラッキングができているように思います。乖離幅の中央値は0.14%。毎日EDCの値動きはEEMの値動きの3倍からだいたい0.14%ずれる、ということです。SPXLの1日に約1.4%上下に動くのに対してEDCは約2.3%上下に動く(中央値)ようなのでが、比率としてはEDCがより大きくズレる、というわけではないようです。

チャートは1日の乖離幅を示しています。2009年〜2010年の設定当初はリーマンショックの影響のせいか、現在よりも毎日の乖離幅が目立つ印象です。平気で数%ずれていますね。

 

月ごとにまとめるとその乖離がプラスかマイナスかがよくわかります。比較対象が配当込みのリターンなので当然ですが、少し下方に触れています。最近ではその下方への乖離が大きくなっているように見えるのも、金利の影響がありそうです。2018年以降は1日あたり約-0.02%、年に換算すると4-5%下振れするのは、まさに金利のレートからしても納得ができます。EEMの分配金が年率2%前後なので、レバレッジを掛けた配当収入と金利の支払いが今の所拮抗していそうです。

 

またも、ちょっとナンセンスなグラフですが、月ごとの乖離の影響を年率に換算したグラフです。月ごとに乖離幅に差があり、金利では説明できない程度に下方に乖離することがあります。新興国株のレバレッジETFはときに想定外のトラッキングエラーのようなものを起こす可能性があるので心の備えが必要でしょう。

 

結論

新興国株レバレッジETFでも概ね乖離の傾向はS&P500のレバレッジETFと同様だということがわかりました。参考にどうぞ。景気後退期には新興国は資金が早く引き上げられて、S&P500よりも早く下落すると言われています。EDCはボラティリティも高いので、ディフェンシブな損切りが必要そうですね。

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