生物に学ぶイノベーション 進化38億年の超技術(赤池 学)

 

 ノーベル賞受賞クラスの大発見であるオワンクラゲ由来のタンパク質、GFPの応用など、生物が自然に持っていた物質や性質を利用して人間の活動に利用するという研究は多い。

生物は進化や淘汰の過程でさまざまな特徴をそろえており、多様である。海洋生物や昆虫などの生物は微細な構造の中に非常な重要な機能を備えるものがある。以前オリンピックの時に話題になった競泳用水着にも鮫肌の微小な溝をつけることで水の抵抗を減らし、水泳の記録を塗り替えるのに貢献したものもある。構造だけでなく、生物由来の化合物を利用したりすることで実現した発明は多い。

本書ではそういった生物由来の研究から生まれたイノベーションが数多く紹介されている。へー、そうなんだ、とトリビアに使えそうなものは多い。反面、カタログのように事例が羅列されているような印象も強く、あまり深く掘り下げた発見は乏しいかもしれない。

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