「思考軸」をつくれ ― あの人が「瞬時の判断」を誤らない理由(出口治明)

 

「思考軸」をつくれ-あの人が「瞬時の判断」を誤らない理由

「思考軸」をつくれ-あの人が「瞬時の判断」を誤らない理由

 

 

 
ライフネット生命の出口氏の著作。「インプット量を増やして判断力の下地を上げよ」というのが端的なメッセージ。
自称「歴史オタク」の著者が書いただけあり、様々な所に引用のようなものがあるのが印象的。
ライフネット生命金融庁に免許を許可されたときの話なども少しあるが、仕事を冷静にするために必要なのは様々なインプットである、
といった内容が取り上げられられる。
 
多くの本を読み様々な考え方に触れることや、世界各地いろいろな場所を訪ね歩くことなどなどが取り上げられている。
著者は幼少期に学校の図書館の本を読破したらしい(!)、またこれまでに世界各国の1000以上の都市を訪れ、銀座の店を制覇したらしい。
おそらく興味の軸が広く、どんどんと新しいものを取り入れたいのだろう。
 
歴史的な事例に学ぶことや世界各国のことに学ぶことなど、様々な軸を身につけることで判断の材料にする。
人間の判断力はこれまでの自分の経験に基づくものであり、長考することでのメリットが大きいわけではない、だからこそ瞬時の判断力を磨くためにインプットが必要なのだそう。
ダニエル・カーネマン(Thinkig fast and slowの著者)の理論的に言えば直感を司るtype I思考をじっくり考えるtype II思考よりも重視するような人なのだろう。
学問的なことのような検討が必要なことには個人的にはtype II思考のウェイトが思いとは思うが、ビジネスのようなシーンではtype Iは力を発揮するのかもしれない。
 
週に5冊くらいは本をよむということからも本当にインプットの量は多いよう。日本生命に勤めていたときは毎日飲みに行っていたと言うからよっぽど人脈などを大切にする人なのかとおもったら、ビジネスに対する考え方は非常に冷静で合理的な判断を行う人なのだと感じた。大量のインプットがあるから判断も冷静に自分の軸をもとに下せるのだろう。
 
本書にはあまりアウトプットのことは書かれていないが、著作をAmazonで検索すると膨大な数が出てくる。
アウトプット力も相当なもので、あくまで仕事をするため、アウトプットをするためのインプットであることを現実世界で思い知らされる。ただ、もう一つ、本書で印象に残ったのが、何かを得るためには何かを捨てなければならないトレードオフの概念。何でもかんでもできるわけではないらしい。
フットワークとハイパーなアウトプット力はぜひとも見習いたい。
 
◯参考;ダニエル・カーネマン ファスト&スロー
type I思考やtype II思考の考え方を認識することは現実社会の判断の場面においても非常に役に立つ。

 

 

 

 

 

 

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